製品レビュー

なつかしのエレキットシリーズVol.8「ビデオトランスミッタ TX-007」

なつかしのエレキットを紹介するシリーズ第8弾です。今回は、「ビデオトランスミッタ」です。

 

なんと、ビデオデッキやビデオカメラの映像をワイヤレスでテレビに映すことができる製品です。電波到達距離は30mとあります。

UHF 14chをつかって映像と音声を電波で飛ばし、UHFを受信できるテレビに映します。

当時30mも先のテレビに手軽に映像を送れるのは楽しいことだったのではと思います。

 

この製品は自分ではんだ付けするキットではなく、完成品として販売されていました。

高周波機器は、周波数の調整を完成後の行わないといけないこと、調整にはしっかりした測定器がないと難しいことなどがあり、完成した状態の商品になるのが一般的です。

 

中身を見てみると、

1.5巻くらいの太いコイルが雰囲気あります。樹脂でコアが固められているあたりがいい感じです。
基板の茶色具合が時代を感じます。
いかにも電波取り扱っていますという雰囲気がありますね。

ところで、この製品が利用しているUHF帯の周波数は、コードレス電話、携帯電話、PHS、GPS、電子レンジ、無線LAN、地上波デジタルなどが利用している激戦区です。
電波の混信、誤動作を防ぐため、電波法で電波の強さに厳しい規制が適用されています。

この製品が今でも動くのか使ってみたいところですが、昭和61年の電波法改正で、電波法を満足しない機器になったので廃版になった経緯があります。もちろん今でもスイッチを入れるだけで違法行為になりますので残念ながら使用は断念します。

この製品は当時好評だったので後継機の企画があったそうですが、電波法を満足する電波強度では到達距離が不満足だったり、混信を防ぐための周波数フィルターが特注で大変高価なものになったりと難題が多く、ついに後継機を出すことができませんでした。

今では、WiFiやBluetooth、4G/LTEを使って映像や音声を簡単に飛ばすことができます。受信装置も、わざわざテレビを用意しなくても、スマホの画面で見ることもできます。あらためてワイヤレス機器はすごい時代になっていると感じます。

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