まいど、開発部のフヂです。
さて、昨年(2016年)11月に発売いたしましたハイパワーのプッシュプルアンプ TU-8340とは趣きが打って変わって、小形でベーシックなシングルアンプ TU-8150を現在開発最終作業中です。
今回のコンセプトは「真空管アンプの動作を理解してより楽しんでいただけたらいいな」ということで、組立説明書と同程度のボリュームの解説冊子が付きます。
冊子なので詳細とはいきませんが、回路解説や基本的な設計手順の概要を簡単にまとめています。
興味を深めて専門書に手を出すきっかけになったりすると嬉しい限りです。
肝心のアンプ本体のほうは、出力管はスリムなビーム管、6AQ5を採用し、UL結線で使用。
最近めっきり見なくなりましたが、昔はラジオ、テレビ、テープレコーダー、通信機などの音声出力管として盛んに使われていましたので「懐かしい!」と感じられる方も多いのではないでしょうか。
そんな6AQ5の高信頼バージョンである6005WのGE製のものが調達できるようになったので、今回採用しました。電圧管は12AX7(ECC83)です。
6AQ5は7ピンMT管ですが、オクタルベースのGT管やメタル管の6V6が同特性であることがよく知られています。
ならば6V6も装着可能にしておこう!と、6V6だけ準備していただければ、なんと、はんだごてなしで簡単に組み換えできるようにしちゃいました。
オーソドックスな真空管2段構成ですが、モバイル機器を音源にすることが主流となってきた現代では、この構成だけだとゲインが不足しますので、オペアンプ(NJM4580D)によるプリアンプを内蔵させました。
もちろんICソケットにしていますのでお好みに応じて他のオペアンプに差し替えることも可能です。モバイル音源用入力用のミニジャックは前面に、据置型音源入力用のRCAジャックは背面にあります。ヘッドホン出力も備えました。
その他、UL – 五結 – 三結 の切換(ジャンパー差し替え式)、MOSFETによるB電源のリップルフィルター、電圧管はDC点灯、大形カップリングコンデンサ用のスペース確保など、上位機種で培ってきた仕様を投入しています。乞うご期待!