製品レビュー

TU-8600 300Bシングル真空管アンプキットのレビューが、Wallofsoundカナダのサイトにアップされました!

 

 

北米では、今年6月のLA Audio Showでファーストプロトタイプが初お目見えしてから、多方面から発売を期待されていたTU-8600。量産品に先立って、セカンドプロトタイプをWallofsoundカナダのNoam Bronstein氏がレビューしてくれました。Wallofsoundカナダは、2014年に立ち上がったカナダのオーディオレビューサイトで、偏りのない信頼のおけるレビューで北米を中心に読者を増やしています。Bronstein氏は本サイトのオーナーでもあります。

 

アンプの仕様についてや、複数の音源の感想、Aikidoのラインステージを通した場合との比較、また、真空管差し替え比較など、盛り沢山の内容となっておりますが、音に対する評価をいただいている行をいくつかピックアップしてご紹介したいと思います。

※和訳は大意であり、細かな解釈の相違がある場合もあるかとは存じますが、ご容赦いただけますようお願いいたします

 

【原文】Wallofsoundカナダのサイト

 

The Elekit TU8600 is a superb amp, and an excellent value. If you can build it, and have reasonably sensitive speakers, I can’t think of a better new amp to buy in 2017. Order it before they’re gone. Seriously. I loved this amp’s predecessor, the 8300R; and the new 8600 is an even better amp. In literally every conceivable way. It’s off the charts, for me.

 

エレキットのTU-8600は優れたアンプであり、かなりのお値打ちものだ。もしあなたが組み立てさえできて、適度に感度の高いスピーカーを持っていれば、2017年に購入できる新しいアンプでTU-8600に勝るものは思い浮かばない。真面目な話、なくなる前に是非注文することをお勧めする。TU-8600の前身の300BアンプであるTU-8300も大好きなアンプであったが、TU-8600はそれを上回る。まったくもって、文字通り、私にとってはダントツである。

 

Tube kits are nothing new, they’re a fun and valid way to be involved in the audio hobby. What’s different here is the quality of the finished product. You finish an Elekit build, and you’ve just put a world class hi-fi product on your shelf. It’s dead quiet. There’s no transformer hum, no hiss, nothing. Like the previous TU8300, this amp is quieter than some solid-state amps – and in fact, residual noise is claimed to be as low as 1/10th that of the TU8300(!). Operation includes a soft-start circuit to save your tube life. There are no annoying thunks from your speakers when you use the power switch. Everything is really well done here. And best of all, it makes outstanding music. And you built it yourself! Sure, you didn’t design it. But you assembled and tested it, which in itself brings a great amount of satisfaction to the equipment purchase experience.

 

真空管のキット自体は目新しいものではない。組み立てを楽しめるし、オーディオ趣味のとっかかりとしては妥当な手段だ。だが、エレキットの真空管アンプを組み立てるということは、ワールドクラスのハイファイ機器を自宅の棚に備えるということを意味する。トランスからのハムも、ホワイトノイズも、ノイズといわれるものは何も聴こえない。前身のTU-8300と同様、いくつかの半導体アンプよりも静かなくらいだ。実際、TU-8600の仕様に記載されている残留ノイズはTU-8300の1/10以下という驚きの数字だ。立ち上がりは直熱管に優しい遅延スタート、電源を切った時の耳障りなブスっというノイズもない。全てがよく出来ている。最も重要なのは、その傑出した音楽再現性にあり、そのアンプを自ら組み立てるということだ。もちろんユーザーが自分で設計したわけではないのだが、組み立てて、テストをし、アンプから奏でられる音を初めて聴いたときにもたらされる達成感は、それを購入した満足感をさらに増幅させるものである。

 

My expectations were high, but this amp has really amazed me. It is the best 300B amp that I’ve spent any appreciable time with. It startles me again and again with its sense of power and drive. Low-power DHT amps aren’t often described as sounding effortless, but the Elekit really does sound effortless. Like an amp with loads of reserve power. Yes – it is sweet. Sort of. The 8600’s ‘sweetness’ is unlike any 300B I’ve heard, though. It isn’t at all syrupy smooth, or “lush”, or dark, or soft. It IS organic – the music ‘breathes’ through this amplifier, instruments sound like themselves, voices sound like the people singing, and the amp never sounds constrained. Nor does it ever sound dry or analytical – and yet, it does have some of the desired qualities I associate with (good) solid state amps. Especially: a sense of authority and ease, a lot of dynamic capability (at least with sensitive speakers), a lot of punch, for lack of a more refined word. And a lot of top-end sparkle. So then: not a particularly romantic sounding amp, no obvious colourations. It’s not rolled off at the top. You just have the overwhelming sense that you’re listening to a great amp. A musical amp. Satisfyingly musical. But also ‘accurate’, for lack of a better word. It does something special with the 300B tube, somehow it’s appropriate, but if you were blindfolded, you probably wouldn’t guess you were listening to a 300B. And yet, it has taken my appreciation of the 300B to a new level.

 

レビューする前からTU-8600に対する期待感は高いものだったが、実際にTU-8600を聴いたときの私の驚きは相当なものだった。私がこれまでにある程度時間をかけて聴き込んだ300Bアンプの中でもTU-8600がベストだ。そのパワーとドライブ力には何度も驚かされた。ローパワーの 直熱三極管アンプは通常ドライブ能力が高いとは言えないが、エレキットは、パワーに余裕のあるアンプのように実に苦もなく音を鳴らす。そう、その音は「スイート」とも言える。しかし、TU-8600のスイートさは、私がこれまでに聴いたことのあるどの300Bアンプとも違うのだ。シロップのような滑らかさとも違う、豊かな、とも、暗い、とも、ソフト、とも違う。それは、「オーガニック」というのがしっくりくる。音楽がこのアンプを通して「呼吸」し、楽器はその楽器としてしかるべき音で鳴り、ボーカルは人の声として聴こえる。そして不自然さはみじんもない。かといって、ドライだったりアナリティックというわけではない。それでもなお、私の思う優れた半導体アンプに求められるクオリティーを持ち合わせているのだ。特に、威厳と緩和の感覚、ダイナミック性能、パンチ、そして、最上位の輝き。特にロマンティックな音色のアンプではないし、あからさまな色付けもない。スピーカーから聞こえてくる音は全帯域でフラットで安定している。そこにあるのは、素晴らしいアンプを聴いているのだ、という圧倒的な感覚だ。音楽的なアンプ。満足のいく音楽性。しかし、同時に「的確」でもある。TU-8600が300Bに何か特別なことをしたのだ。それは適切な「何か」ではあるのだが、もしあなたが目隠しをされて聴いたなら、恐らく300Bを聴いているとは分からないだろう。にもかかわらず、TU-8600は私の300Bに対する認識を新たなレベルに高めてくれた。

 

レビューアーとしても経験豊富なBronstein氏に、これほど高く評価いただけたことは、メーカーとして大変光栄に感じるとともに、言葉で伝えることは難しい音の良さについて、的確な表現で文章にしてくれたことに、深く感謝しています。

 

エレキット渾身のアンプ、TU-8600を、是非実際に聴いてみてください。あなたの300Bに対する認識がさらに良い方向に変われば、弊社としてはメーカー冥利に尽きます。

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