工作Tips

ArduinoやPICにたくさんのLEDを繋いでいっぱい光らせたい話

電子工作に取り組んでいると、マイコンというものが出てきます。
今回はマイコンとたくさん電流を必要とするものをつなぐ方法について勉強したのでご紹介します。
※この内容はあくまで一例です。
記事通りに実施して何らかトラブルが発生したとしても、責任は負いかねます。
ご自身の責任において活用されてください。

大前提 マイコンと電流について

マイコンは便利です。
LEDをちょっと挿せば光ります。
オンオフのプログラムを書き込めば、点滅も思いのままです。
なのでたくさんつなげばたくさんピカピカするじゃん!と思うのですが・・・

例えばPICでは、1端子あたり25mA、全体で170mAしか流せません。
micro:bitでは1端子あたり5mAまでです。
Arduinoでは1端子あたり20mAです。

そしてLEDは最大で20mAくらい必要とし、現実的には5mA~10mAくらい使う事が多いです。
つまり、LEDをたくさんつなぎたくても、1個か2個、せいぜい4個くらいが限界です。
(並列の場合、電流を足して計算します。10mAを2個なら20mAですね。)

そこでたくさんLEDをつなぐために、たくさん電流を流そう!
とインターネットや本を調べると出てくるのが”トランジスタ”という言葉です。
今回はトランジスタを”スイッチ”として使い、マイコンでたくさんのLEDをオンオフ制御できる回路を作ります。

トランジスタ、その前に

今回はLEDを4個点灯させてみます。
まず、単純にLEDを4個光る状態を作りましょう。

[1]5Vの電源を用意し、LED4個を並列に繋ぎます。

[2]LEDについては、エレキットの白色LEDhttps://www.elekit.co.jp/product/LK-5WH
で考えてみましょう。
LEDのスペックは2箇所確認してください。
順方向電圧:3.4Vと書いてあります。
絶対最大定格電流:30mAと書いてあります。30mA以上流したら壊れます。
LEDは電流が増えるほど明るくなりますので、今回は20mA流してみます。

[3]抵抗値を決めます。
抵抗を入れずにLEDを繋ぐと、絶対最大定格電流以上の電流が流れてLEDが全部壊れます。
なので壊れないように抵抗値を計算して入れます。

電源電圧が5V、LEDの電圧が3.4V、LEDに必要な電流が80mA。
抵抗値を決めるためにオームの法則を使いましょう!
(電源電圧-LEDの電圧)÷LEDに必要な電流 で答えが出ます。
(5V-3.4V)÷0.08A=20Ω

ということで、この回路はこうなりました。

この回路にスイッチとしてマイコンを使えば、オンオフの制御ができるわけですね。

マイコンとトランジスタを組み込む

LEDを点灯する回路にトランジスタとマイコンを組み込んでみましょう。
トランジスタは今回1815を使います。(とても有名な型です)
このトランジスタはPNP型と呼ばれるもので、
今回の回路ではトランジスタのエミッタ側をGNDに直結し、コレクタ側にLEDをつなぎます。

マイコンからのH信号(いわゆるピンをONにする命令)をトランジスタのベースに入れれば良いので、
[4]ベースが受け取れる電圧とマイコンを壊さない電流をマイコンから取り出すこと。
この2つを考えてみましょう。

今回はPICを基準に考えていきます。
PICマイコンの出力電圧は5V 1815の飽和電圧(VBE)は1V
マイコンポートから取りたい電流が10mA(1ポートあたり最大25mAなので、約半分としました)

出力した電圧は飽和電圧分マイナスされるので、V/I=Rを計算すると
(マイコン電圧-飽和電圧)÷取りたい電流 として、
(5-1)/0.01=400Ω
となり400Ω。余裕を見て倍の800Ω、ちょっとオーバーしても平気なので約1kΩを最大値として、
800Ω~1kΩあたりで手持ちの抵抗を使用しましょう。
(余裕を見る意味:飽和電圧はしきい値なので、飽和電圧ギリギリだと誤動作する可能性があるため。)

約1kΩという値はふわっと出てきましたが、エレキットのLEDには470Ωの抵抗が10本付属しているので、
それを2本直列して940Ωとして使うのがオススメです。

PIC以外のマイコンでは、Arduinoも5Vです。
micro:bitは3.3Vですが5mAなのでご注意ください。
その他は…データシートを読み取るか、使いたいマイコンのピンにテスターを当てて測ってみましょう。

おわりに

この回路の作り方が分かれば、LED以外にもモーターを動かしたり、ブザーを鳴らしたり、様々なことができるようになります。
ぜひマイコンのプログラミングや様々な電子部品の制御に挑戦してみましょう!!

難しいや…って思った方には、LEDを点灯点滅させるだけならモジュールをオススメします。
はんだ付けさえできればかんたんに使えますよ。

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