電子部品はどんどん小形化されチップ化されていますね。リードが付いた差し込み式の部品はどんどん少なくなっていて、10年後には絶滅しているのではないかというほどの勢いです。エレキットでもついに、LEDシリーズにチップタイプを追加することになりました。
皆さんも電子工作ファンとして生き残っていくには、そろそろチップ部品のハンダ付けを訓練しておいたほうがいいのかも知れませんよ。そんなわけで、今回のTipsはChipsです。(寒っ!)
チップ部品は、ただ小さいだけではありません。基板の穴に足を差し込むのではなく、基板の銅はく面に貼り付けるようにはんだ付けします。そのため正式には「表面実装デバイス」、略してSMDと呼ばれています。
左の画像は左側からLED、抵抗、トランジスタ、ICで、上の列がエレキットに最も多く使われている従来のもので、下の列がチップ部品です。実は、これでもチップ部品のなかでは大形のものです。右の画像は今度LEDシリーズに仲間入りするもののオモテ面とウラ面です。 チップ部品のハンダ付けというと、特別なハンダゴテとハンダがないとできないと思いこんでいる人も多いかも知れませんが、この画像に写っている程度のものなら、いつも使っているコテとハンダでも割とイケちゃいます。そこで、いつも真空管アンプの組み立てに使っている、電子工作用としては先が太めのハンダゴテと直径1mmのハンダでチャレンジしてみました。
[チップLEDをユニバーサル基板に実装してみる]
(1) まず、LEDをピンセットでつまみ、端子の片方にハンダメッキを。
(2) 基板のほうも1ヶ所だけハンダメッキ。
(3) ハンダメッキしたところどうしを当ててハンダゴテで暖めると、片方の端子はハンダ付け完了。
(4) 続いてもう一方の端子もハンダ付け。
(5) 同じようにチップ抵抗をハンダ付けして、電池をつなぐとこの通り!
[ICにもチャレンジ]
(1) LEDのときと同じ要領。基板とICの端っこのピンをハンダメッキしてからくっつける。
(2) 対角線のピンをハンダ付け。
あとは他のピンをハンダ付けしていけばいいのですが、このように足が並んでいる部品の場合は、次のような乱暴な手も使えます。
(3) はんだブリッジしまくってもいいので、とにかく全部のピンをハンダ付け!
(4) 余分なハンダをハンダ吸取線で吸い取れば、ジャーン!きれいなもんです。
ほかにも色々なやりかたがありますから、自分がやりやすい方法を編み出してください。
組立工場では専用の接着剤で仮止めをするのですが、普通の接着剤を使うとごくわずかな漏れ電流や誘電率の影響が回路の動作をおかしくする場合もあるので、アマチュアの人はできる限り接着剤を使わないようにしましょう。
チップ部品をハンダ付けして実感するのは、ハンダがとても少量で済む、基板も小さくて済む、リードの切りクズが出ないことです。部品そのものの製造や輸送のことも考えると、かなりエコノミー&エコロジーです。
ところで、もっと小さいチップ部品になるとピンセットではさむことすら難しくなります。先日TVで「ものすごいピンセット」として紹介されていたシャープペンシル形のヤツが欲しいなあ・・・約2万円かあ~・・・ (興味ある方は「HP-2701」で検索してみましょう)