まいど、開発部のジョドーです。ご無沙汰でしたが、みなさんお元気でしたか?
今日は、みなさんが「こんな事に使いたい、あんな事をしてみようと思って、キットを使ったけど上手く動かなかった。」というときの事についてちょこっと書いてみようと思います。 例えば、「タイマがカウント終了して、リレーがOFFになるとすぐにONになってしまうんです。」といった内容のお問い合わせを受けることがあります。この場合原因としては、まず電源、それからノイズが考えられるかな、と直感的に思います。
まず、電源に9Vの角形乾電池等を使われている場合は、リレーがON/OFFすることによって、定常時よりも多くの電流が流れるので、これにより電源電圧が変動して機器が誤動作していることが考えられます。この場合の対策としては、電流容量の多い電源にすることで改善されると思います。ACアダプタを使う場合は、安定化回路内蔵タイプのものを使うと良いでしょう。また、自動車などのバッテリーから電源を取ることもあると思いますが、自動車走行中はアクセルの状態によって、DC18V程度の電圧になることもあり、「自動車」という環境下では電圧の変動が大きくなるので、電源ラインにはレギュレータを入れた方が良いでしょう。具体的に言うと、「正電圧可変安定化電源ユニット(PU-2604)」などを使って、DC9V程度にしてタイマユニット等に供給すると電源の変動がなくなり安定して動作すると思います。ただ、ここで注意しなければならないのは、レギュレータと接続する場合、接続するコードは極力短くした方が良いということです。コードを必要以上に長くしていると、コード自体がアンテナの役割を果たし、せっかく電源を安定させてもコードにノイズが飛び込んでくることが考えられます。特に自動車の場合はエンジンから強力なノイズが発生されているので、このノイズの影響を受けることが考えられます。なので、コードは必要以上に長くしないように注意することが機器を正しく動作させるためには重要な事になってきます。
また、ノイズに関しては、その種類も特性も様々なので、ここでは一例だけを紹介したいと思います。外部からのノイズを防ぐ方法の1つに「シールド」があります。これは、基板そのものを金属製のケース等に入れてノイズの影響を受けにくくする手法です。ただし、単に金属製のケースに入れるだけではなく、中に入れる基板の電源の「-(マイナス)」と、金属製のケースを接続しておくことで、シールドの効果がより高まります。金属製のケースがない場合は、基板をアルミホイルでくるむだけでも効果はあると思いますよ。ただし、アルミホイルでショートしないように、基板のはんだ面や部品に触れないようにすることと、アルミホイルと基板の電源の「-(マイナス)」を接続することを忘れないようにしましょう。恒久的には金属ケースをお奨めしますが、実験的に試してみるのであれば、アルミホイルはお奨めです。ただし、ショートだけにはくれぐれも注意してくださいね。
はんだ面がアルミホイルと接触しないように、ビス、ナット、スペーサで足を付けました
基板の電源のマイナスとアルミホイルを接続します
はんだ面や部品に触れないようにアルミホイルを巻いて簡易シールドの完成!
この記事に付け加えて質問ですが、PU-2604は、自動車(12V)入力にして36V出力は可能ですか?
よく電圧を下げる事はできるけど上げる事はできない商品が多いので、、
残念ながら、PU-2604は昇圧する事はできませんので、いせかたさんのご希望には添うことができないと思います。
PU-2604の最小入出力間電圧は、2.5Vとなっているので、最大でも(入力した電圧-2.5V)の電圧までしか出力する事ができません。
エレキットの製品には、昇圧できるものはございませんが、世の中には昇圧型のDC/DCコンバータもあるようですので、そのような機種をご検討されると良いのではないでしょうか。