開発よもやま話

渾身のPPアンプ TU-8340、リリース!

いや~、思えば、私が(TU-870あたりから)TUシリーズに携わらせていただいて以来、長年の目標であった「本格プッシュプル(PP)アンプ」がついにリリース、感極まってウルウルしている開発部のフヂです。まいど、お久しぶりであります!

heavy_amp

 

PPアンプは市場的にはすでに激戦区ということもあり、これまで幾度も企画が浮かんでは消えていたのですが「激安にはできなくてもELEKITらしい、ひと味違うモノにすればいいはず! ELEKITのPPアンプを聴いてみたいと思ってくれるファンの方たちもきっといらっしゃるはず!」というポリシーと信念のもと、今回のプロジェクトが実現できました。

 

実はひと味どころか四味も五味も違うのですが、詳しくはELEKITのホームページをご覧いただくとして、最も大きな点はバイアスの半自動化です。次のような経緯を辿りました。
PPは本来大きなパワーを出すための手段なのでAB級動作とし、出力管はコスパに優れるEL34でUL結線にしよう → AB級ではカソードバイアス(セルフバイアス)よりも固定バイアス方式が効率的に有利 → でも各出力管について手動調整せねばならず、かなり面倒なうえ電流計のコストが… → ならば、無信号時にスイッチボタンを押すだけで自動調整してくれる「半自動バイアス(SAB)調整システム」をマイコンで作ろう!
ちなみに私は「真空管の良さを引き上げたりコストダウンなどできるなら、真空管全盛時代にはなかった技術や手法を積極的に組み合わせればいいじゃん」という考えの持ち主ですし。

 

その結果、固定バイアスなのに気軽に出力管を取っ換え引っ換えできるようになりました。ならば、要望の強いKT120やKT150にも挿し換え可能な様に電源トランスの容量をを少し増やそう。そうやってできた最初の試作機を、海外の代理店のリクエストにより6月の米国のオーディオショーに参考出品できました。その時のバイアス電圧制御方式はPWM方式。フィルタは二重にして万全でしたので音質に影響することもなく、ショーでは絶賛だったそうです。しかし、ここでPWMというのが個人的にはどうも精神的に気持ち悪い… そこで、DAC方式に転換を決めました。今回の目的に誂えたような仕様のDAC ICを見つけたのですが「小っちゃ!」

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試作では自分の手ではんだ付けするのですが、さすがに0.5mmピッチは老眼には辛かったです。(半自動バイアス調整はモジュール化しています。ユーザーの方がこのICのはんだ付けをする必要はないのでご安心を!)  一方、アンプ本体の基板はでかい! もちろん、アンプ自体もTUシリーズ史上最重量級です。

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こうしてできた二次試作機は、真空管オーディオフェア(秋葉原)やRocky Mountain Audio Fest (米国)にてお披露目、これまたご好評をいただきました。
こんな渾身のPPアンプをよろしくお願いいたします!

One thought on “渾身のPPアンプ TU-8340、リリース!”

  1. 最近、中国製のKT88*4の格安ステレオアンプを買いましたが、ひずみ率特性が非常に悪く、がっかりです。また公開されている回路図を見ると、UL接続ではなく5結です。それに出力トランス二次側のCOMがGNDに落ちていません、
     そこでお願いですが、TU8340のひずみ率特性を公開して欲しいです
    それから、私は左手が動かないので組立は知人にお願いしなければなりません
    完成品も適切な価格で販売していただけるとありがたいのですが・・・

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