イギリスの化学者・物理学者であるファラデーが毎年子どもたちにサイエンスに関するレクチャーを行っていたといわれる「クリスマスレクチャー」。
エレキットもそんなクリスマスレクチャーを行いました。
今年のテーマは「電池がなくても動く『傘ラジオ』をつくろう」
ビニール傘やアルミホイルなどの“日用品を使ってつくれる”、”電池がいらない”不思議なラジオをつくります。
傘を差したらラジオを聞けるなんて、カッコイイ~!!
それでは、工作開始です!
まずは本体になる傘を取り出して…
こんな形のケント紙を山折り谷折りすると…
(レーザーカッターで作ったんです。これ。)
このような穴の開いた部品ができました。一体何に使うのでしょう…?
傘の表面に貼り付けていますね…
なるほど、ケント紙でつくった部品はケーブルを固定するための治具だったんですね。
お子さんはケーブルを傘に取り付ける係、お父さんはケーブルを持つ係。
2人で協力しながらアンテナをつくります。
アンテナができたらこの「ゲルマニウムダイオード」をはんだ付けします。
ケーブルにはんだ付けしたゲルマニウムダイオードは傘の”カチッてなるとこ”にはさみます。
次に使うのはこの「ホイルペーパー」。お弁当を作るわけではありませんよ。
ホイルペーパーをこの大きさに切って、端を内側に折ります。
ホイルペーパーを傘のシャフトに巻きつけます。これがラジオの「バリコン」という電子部品の代わりになります。
これをうまくチューニングすることで、ラジオで聞く放送局を選ぶ(周波数を変える)ことができるのです。
このように洗濯ばさみを手で持って左右に少しずつ動かしながら選局します。こんな日用品でできちゃうんですね~
最後にこの「セラミックイヤホン」を接続します。
一方はゲルマニウムダイオードのカソード端子に、もう一方はホイルペーパーにアンテナのもう一方の導線を巻きつけたところに接続します。
完成です!!!
それでは、早速ラジオを聞いてみましょう。
イヤホンを耳につけると……聞こえる!!
音楽とか人の声とかがちゃんと聞き取れるくらい聞こえる!!
電池が無いのに音が出るなんて不思議だ~~
建物の中ではどうやら立つ場所によっても電波の強さが変わるようで、
「柱の近くに立つとよく聞こえる」みたいなことが起こるようです。
みんなパワースポットを探しています。
そして今回はなんと久留米高専の屋並先生による特別授業も!
電波の「波」について学んでいきます。
電気の電圧や電流を測る時、こういう「テスター」とか「電圧計」などの計測器を使います。
これって「今」の電圧の大きさを見て記録することはできますが、
時間が経って変化する波状の電圧は目で針を追いかけるのが難しく、
「今が3.3Vで、0.1秒前が3.2Vで、0.2秒前が…」なんてやってると気が遠くなります…
そんな「波状の電気」を効率よく記録する方法は…ってことで、
先生「どこにでもあるプリンターを改造して、自動で波を描く機械をつくってきました~」
サラッとすごいこと言っちゃう先生です。
このように、ペンを取り付けたヘッドを左右に動かしながら紙を送ることで、波をペンで描くことができるというものです。
この左右にペンを動かす速さを変えることで、波の「周波数」を変えることもできます。
次に、実際のラジオが受信している「波」を見てみましょう。
これがラジオが受信している波です。
非常に細かく上下に振動しているのが搬送波、たまに波の振幅が変わっているのが音の波ですね。
音声信号に沿って搬送波の振幅を変化させているため、この方式を振幅変調、英語でAM(Amplitude Modulation)といいます。
「AM放送」とか「AMラジオ」とかのAMですね。
みんなオシロスコープに表示されるラジオの波に夢中です。
なお、今回の工作教室は、
日用品でラジオを作ろう「傘ラジオ」 http://www.kasaradio.com/