プログラミング教育 レポート

小学校低学年向けPIECEワークショップ「発明をしよう!」

2020年の学習指導要領改訂で注目を集めている「プログラミング教育」ですが、小学校の現場で実施する先生方にとっては

  • 教師側でプログラミングの経験がないのにどうやって教えればいいかわからない
  • 小学校低学年だと、いきなりプログラミングなどの高度なことをさせるのはハードルが高い

などの問題に悩んでいる方も少なくないようです。

そこで今回は「小学校低学年の子供たちを対象に」「パソコンを使わず」「全身を使って楽しく」プログラミング的思考を身に着けるワークショップを実施しましたので、その内容について全部公開いたします!
どうやって小学校でプログラミングを教えればいいんだ~と悩んでいる先生方にこそ、ぜひこの記事を読んでいただきたいと思っております。

「全身を使って楽しく」プログラミング的思考を学びます!

ワークショップを行った会場は、福岡市天神のTECH PARK(テックパーク)。ここは福岡で話題のベンチャー企業 株式会社グルーヴノーツの、子どもたちがテクノロジーを楽しむことができる学童保育として運営されている施設です。
今回は小学校低学年を中心に、18名参加していただきました。

まずは全身を使って【入力と出力】を体験します。
プログラミング教育の授業では、ロボットを動かしたり簡単な装置をプログラミングしたりすることが多いですが、ロボットや何らかの装置は全て共通して「入力と出力」を持っています。

  • 入力(センサーやスイッチなど状態を感知するもの)
  • 出力(モーターやLEDなどアクションを起こすもの)

例えば、火災報知器のような装置なら「煙を検知したら(入力)→警報を鳴らす(出力)」。自動ドアなら「人がドアの前に来ると(入力)→ドアが開く(出力)」といった具合に、「ある状態だと(入力)→アクションを起こす(出力)」という動作をします。

…と前置きが長くなってしまいましたが難しい説明は置いといて、まずは皆さんにロボットになってもらいます。

【第1部 ロボットになろう!PIECEでつくろう!】

「みなさん、ロボットになってくださ~い」「え~?ロボット~?」

先生「今、みなさんがなっているロボットに『歌が聞こえているときだけ、ぶるぶる震える』というプログラムを入れました。さあ、どんな動きをするかな~?」

みなさん、上手にできました!ロボットになりきって『歌が聞こえているときだけ、ぶるぶる震える』という動きができましたね。
さあ、次はこの動きを実際に電子回路モジュール「PIECE(ピース)」で組み立てます。

PIECEを組み立てます

このように「音センサー」(写真左)と「振動モジュール」(写真右)をつなぎます

「あああああああああ!!!!!!」ってめっちゃ叫んでますが、「歌が聞こえているときだけ、ぶるぶる震える」装置ができました!

 

続いて、今度は「明るいときだけ、ぐるぐる回る」ロボットになりきります。

あー、目が回りますね。部屋の電灯をON/OFFしたときにカメラが明るさの自動補正をしてるので映像ではちょっとわかりにくいですが、暗くなったときに止まる・明るくなったときに回るという動作をしっかりできています。
これもPIECEで作っちゃいましょう。

「明るさセンサー」と「モータードライバ&モーター」をつないでいます

光センサを手で覆うと(暗くなると)モーターの回転が止まり、手を離して明るくなるとモーターが回り始めます。
どうやらPIECEのモーターはひげ剃りのように顔に当てたりすると気持ちいいそうです。新発見ですね。

他にも、先程の「明るいときだけ、ぐるぐる回る」装置に論理モジュール「NOT(ノット)」を挟んで、「明るくないときだけ、ぐるぐる回る」装置を作ったり、

「明るくないときだけ、ぐるぐる回る」装置

論理モジュール「AND(アンド)」を使って、「[明るいとき]かつ[音が聞こえているとき]だけ、ぐるぐる回る」装置も作ったりしました。

[明るいとき]かつ[音が聞こえているとき]だけ、ぐるぐる回る」装置

PIECEでこれを作ると…

音センサーを反応させるためにみんなで童謡「チューリップ」を大合唱!
光センサーを手で覆うとモーターの動きが止まっていますね。

 

【第2部 紙コップとPIECEでロボットをつくろう!】

PIECEの使い方をマスターしたところで、みんなでロボットをつくります!
今回つくるのは「紙コップロボット」。PIECEのモーターで不思議な動きをするロボットをつくります!

↑こんなロボットをつくりますよ!

はさみで色画用紙を切って…

ペンで絵を描いて…

完成しました~~~!!!

https://www.instagram.com/p/Bdg0JeoHa6f/

とてもかわいいロボットができましたね!
子供たちのデザインは創造性豊かで、大人たちは驚かされてばかりでした。

 

【第3部 発明しよう!】

最後のパート「発明しよう!」では、日常生活の中で困ったこと・解決したいことを思い出しながらアイデアを出し、その問題を解決する装置をPIECEで実際につくってみんなの前で発表します。
今回のワークショップでは4人1組になって、グループごとにアイデアを絞り出します。

うーん…どんなものをつくるかなあ…

議論が白熱しております。いいですね!

発表に向けて、発明した装置の動作テストをしています。うまく動くかな?

さあ、発表の時間がやってきました。

それぞれのチームが考えて発明したアイデア

うまく発表できるかな?

発表では寸劇もしながら使用シーンを表現するチームも。

 

↑の動画は、「お母さんが帰ってきたら、『おかえり』と書かれたお魚の紙が落ちてくる装置」を発明したチームの発表です。
「おかえり」のメッセージに優しい気持ちが込められた作品です。情緒的でいいですね~!
どのチームも困ったことを解決するためにアイデアを考え、チームメイトと一緒に発明・発表をがんばりました!

みなさんの発明、すばらしかったです!ありがとうございました!

まとめ

当ワークショップのようにコンピューターを使わずにコンピューターサイエンスの基礎を体験する教育手法は「CSアンプラグド(Computer Science Unplugged)」と呼ばれています。
「アンプラグド」というのは、電源のプラグが挿されていない、つまりコンピューターを使わないというのが由来となっており、パソコンのマウスやキーボードに習熟していない子供たち向けの教育手法として注目されています。

今回、小学校低学年を中心とした18名の生徒さんに参加していただき、アンプラグドのワークショップから始めることで全員がしくみを理解して、プログラミング的思考に基づいた発明を発表していただくことができました。
素晴らしい発明を見せてくださった生徒の皆さん、ワークショップの進行を支えてくださったスタッフの皆様、本当にありがとうございました。大成功だったと思います!

当ブログ記事を読んでくださった皆様、プログラミング教育やワークショップの教材で悩んでいる方がいらっしゃいましたらぜひエレキットのPIECEを使ってみてください。
PIECEを使ってワークショップをやってみたいというワークショップ指導者・運営者の方はぜひエレキットのお問い合せフォームよりご相談下さい。

 

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