プログラミング教育 レポート

小学校6年理科の授業でPIECEが採用されました

前回は小学校1年生の生活科の授業の中でPIECEを採用いただきましたが、今回は6年生の理科でPIECEを採用いただき、授業の様子を見学させていただきました。訪問させていただいたのは、福岡教育大学附属久留米小学校です。

【参考】小学1年生の生活科の授業にPIECEを導入しました

 

 

理科の「電気の性質とその利用」の学習の中で、冷蔵庫を切り口にした授業です。

授業では、冷蔵庫の扉を開けたときになにが起こっているか、扉を閉めたときになにが起こっているかを観察して、その動きの再現実験を通して、何故そのような動作にしているのかを考えていきます。

 

 

授業の流れ

  1. めあての確認

  2. 冷蔵庫のしくみを考える

  3. その「しくみ」の実現方法を考えて、PIECEで再現してみる

  4. なぜその「しくみ」が必要なのか考える

  5. まとめ

  6. 他の身の回りの装置の省エネについて考え、再現装置をつくったり、オリジナルの省エネ装置を作る

 

1.めあての確認

今回の授業のめあてをみんなで確認します。今回のめあては、「効率的な電気の利用のよさについて調べてみよう。」です。冒頭でめあてを確認することで思考の方向が大きくぶれることがないようです。

 

2.冷蔵庫のしくみを考える

冷蔵庫を観察した結果をみんなで共有します。

  • 扉があくと庫内を照らす照明が点く。扉が閉まると照明は消える

  • 扉が閉まると脱臭モーターが動いている。扉が開いているときは止まっている

という2点に着目しました。

 

 

3.その「しくみ」の実現方法を考えて、PIECEで再現してみる

「しくみ」を実際にPIECEのモジュールを組み合わせて再現してみます。作りながら、扉が開いたこと検出するためにはどうする?という疑問から、冷蔵庫が使われる状況をさらに深く考えてふさわしいと思われるセンサーを使います。
6年生ということもあってか、あっという間にPIECEのつかい方を理解して装置をつくりあげていきました。

装置の初期段階では、扉が開くと、照明が点灯して脱臭モーターも動くという装置になっている生徒が多かったようですが、希望の動作のためには片方を反転した信号で動かさなければいけないと気付いて、装置を修正し、となり同士で動作を確認していました。

 

 

ちなみに、期待されるつなぎ方はこんな感じです。「明かり」センサを入力として、「SPLIT」で出力を2系統に分割、一方を「LED」、もう一方を「NOT」+「モーター」とします。こうすると、明るくなると(冷蔵庫が開くと)LEDが点灯し、明るくなくなると(暗くなると)(冷蔵庫が閉まると)モーターがまわるという装置が再現できています。

 

 

4.なぜその「しくみ」が必要なのか考える

なぜそんなしくみが冷蔵庫についているか、なぜ動きっぱなしではダメなのか。をみんなで考えます。

「お金を無駄ににしないため」→じゃあ、お金持ちは動きっぱなしでもいいのでは?

「電気を無駄にしないため」→なぜ電気を無駄にしたらいけないの?

といったやりとりをして「エネルギーに限りがあるから」「だから電気を効率的に利用しなければいけないんだ!」という考えにいたっていたようでした。

 

 

5.まとめ

このようにして、授業のまとめである「電気を効率的に利用することによって、限られたエネルギーを有効活用することができている」という気づきに着地していきます。何気なくつかっている冷蔵庫の中身でおきているが省エネのしくみを実際にPIECEを使って作り、体感したことで、より効率的に電気を利用できることを実感できていた様子でした。また、身の回りのモノのしくみ、特に”自動化”がどのような要素の組み合わせで実現されているのかを考えるきっかけにもなったようです。

 

6.身の回りの省エネ装置

冷蔵庫で省エネの考え方を理解した児童達は授業の最後に、PIECEを使ってオリジナルの省エネ装置をつくってみます。

スマホを持ち上げたときだけ画面が点灯するという機能を再現してみたり、センサーと録音再生モジュールのメッセージを組み合わせて楽しく注意喚起を行う装置などをどんどん作り出していきました。

 

 

くらしの中で使われている装置を実際にPIECEを使って再現してみることで、他の装置に同じような機能を実装してみることを考えることができたり、機能を改善したり、オリジナルの装置を創作することができるようになる児童たちの吸収力の速さや想像力の豊かさには、毎回驚かされます。PIECEが少しでもその手助けになればと思います。

 

 

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