暮らしの中で思いついたアイデアを実現することを手助けする電子回路モジュール「PIECE」はお陰様で様々な学校・施設・店舗等で授業やワークショップの教材としてご利用いただいております。
この度、小学校1年生の授業でPIECEを使うとご連絡をいただき、現場へ駆けつけました。
くらしの中の課題解決力育成のための電子回路モジュール「PIECE」
今回訪問させていただいたのは、福岡教育大学附属久留米小学校。
1年生の生活科の授業にてPIECEを使った授業の様子を見学させていただきました。
授業は生活科の「ひろがれ えがお」という単元で、家族の笑顔を思い出しながら「家族が喜んでくれるにはどうすればいいだろう」「家族はどんなことに困っているだろう」ということを考え、PIECEを使って問題解決をしていくという内容です。
授業は
- 計画を立てる
- 計画を基につくる
- 家庭でも実践を振り返る
の3回で構成され、今回は「2.計画を基につくる」の実施を見学させていただきました。
今回の授業は以下のような流れで進められました。
授業の流れ
1.めあて・キーワードの確認
2.モジュールの役割を復習
3.考えてきたアイデアをPIECEでつくる
4.隣の人に自分の作品を紹介してアドバイスをもらう
5.発見カード(ワークシート)にアドバイスの内容を絵や文章でまとめる
6.実物投影機を使ってPIECEを見せながら発表する
7.発見カードに感想をまとめる
授業を見ていきましょう
1.めあて・キーワードの確認
まずは授業の「めあて」をみんなで確認します。
今回のめあては『かぞくがもっとえがおでせいかつできるものをつくろう』です。
生徒の皆さんに配られている発見カード(ワークシート)の上部には「めあて」を書く欄があり、授業の初めに必ず書くようです。
2.モジュールの役割を復習
ここではPIECEのセットに入っているそれぞれのモジュールがどんな役割を持っているかを確認します。
前方のモニターにモジュールの写真を映し出し、「これはどんなことをするぶひんかな?」という問いかけに生徒の皆さんは勢いよく手を上げて答えます。
電源モジュールを振り返るときは「スイッチをONにしないとすべての部品がうごきません!」、論理モジュールANDでは「両方のセンサーがONのときにONを出します!」と生徒さんから声が上がり、想像以上にモジュールの使い方を覚えていました。
3.考えてきたアイデアをPIECEでつくる
「◯◯のために、◯◯をつくりたい!」というテーマのもと、生徒の皆さんが考えてきたアイデアを実際にPIECEを組み立てて装置を作ります。
うまく動かないときは論理モジュールなどを取り替えながら何度も何度も動作テストをしていたようです。
4.隣の人に自分の作品を紹介してアドバイスをもらう
自分が作った作品が誰のためのものか、どうやって使うものなのかを隣の人と見せ合って、「ここを変えると良くなるんじゃない?」と提案しながら意見交換をします。
アドバイスをもらった人は発表に向けてモジュールを組み替えたりもします。
5.発見カード(ワークシート)にアドバイスの内容を絵や文章でまとめる
自分の作品の特徴を発見カードにまとめて、隣の人からもらったアドバイスを整理して絵や文章でまとめます。
絵が好きな生徒さんはかわいい絵を描いていました。
6.実物投影機を使ってPIECEを見せながら発表する
さあ、ここでみんなに向かって発表をします。
自分で作ったPIECEを実物投影機の上に置いてみんなに見せながら「誰のために、何を作ったのか」をプレゼンします。
「アーと言っている間振動するひげそり」をお父さんのためにサウンドセンサーと振動モジュールで作った生徒さんは、
「アーと言い続けないと動かないのは大変だから、サウンドセンサーを振動センサーに変えました」
とお友達からのアドバイスをもとに改善をしたようです。
試行錯誤をしていきながら改善する取り組みは素晴らしいですね。
また、夜遅くに洗濯を頑張るお母さんのために「暗くなるとひとりでに明るく光る装置」を作った生徒さんは論理モジュールNOTを使って「明るくないときに光る」という思い通りの動きを実現していました。
扱いが難しそうな論理モジュールも上手に使いこなしています。
7.発見カードに感想をまとめる
授業の最後に発見カードにまとめや感想を記入して数人が発表をします。
「家族がよろこんでくれたらいいなあとおもいます。」
「『肩こりがなくなった』と言ってもらえたらうれしい」(マッサージ機をつくった生徒さん)
といった感想が発表されました。
まとめ
喜んでほしい人のために自分で考えたアイデアをPIECEで実際に作り出すことを1年生の皆さんに体験していただきました。
便利なものに溢れた社会ではなかなか自分で新しいものを考えることはありませんが、この体験を通して身の回りの機械を観察する目が変わったり、困っている人を助けようとする心が育んでいったりすると嬉しい限りです。