今月発売の新製品ロボットに「とげまる」があります。
とげまるはハリネズミ型のロボットで音センサーを搭載しています。手ばたきの音に反応し、ボディーを丸めながらでんぐり返しをする、とてもユニークなロボットです。
ひと足お先に私もこの春小学3年になる子どもと作ってみたので、このロボットの組み立てのようすをレポートしてみます。
はじめに
まず、説明書をを開くと、部品の一覧が載っています。部品はかなり多いので、組み立てるときは使用する部品を間違えないように注意しましょう。特に小さなねじ(しかも、つば付きとつばなしの2種類が含まれます)などなくしやすいかもしれませんので、紙皿なんかに小さな部品を入れておくと安心ですね。
大事なポイントのページには、組み立てるときの注意が載っています。案外読み飛ばしがちなこのページ、プラスチックパーツを使用したロボットを組み立てるときに注意しなくてはならない「バリの処理」やねじのしめ方など、組み立てるときの注意ポイントが書かれていますので、ここは”はやる”気持ちをおさえて、しっかり読んでください。
実は、当社にいただく動作不良(作ってみたけど動かない)に関するお問い合わせの8割はバリによるものです。バリは工作の最大の敵。ここは確実におさえておきましょう。
特にとげまるはギアの部品が多かったり、ねじをしめるシーンがたくさんあります。ギアの部品のバリ取りやねじをしっかりしめることを確認しておきましょう!
さあ、いよいよ組み立てていきましょう。
ギアボックスの組立て
まずギアボックスを組み立てます。
ギアボックスの中に、シャフトやギアを取り付けていきます。ギアには取り付ける向きや場所が決められています。説明書のイラストをよく見て、間違えないように注意しましょう。
クラッチギアの取り付けは、6角シャフトにギュッと押し込んで取り付けます。
ギアを取り付けたら、全てのギアが正しくかみ合っているか確認しましょう。
電池ボックスに電池を入れます。電池には+、-がありますね。向きを間違えないように注意してください。
コードに目印を付けたらギアボックスのミゾに取り付けていきます。ここは案外、子どもが説明書を見て「?」になっていました。図のようにコードにつけた目印の位置のところで溝に入れるということですね。
電池ボックスを取り付けたらギアボックスのふたをして、タッピングねじで固定します。タッピングネジには「つばなし」と「つば付き」がありますので、使うところを間違えないように注意しましょう。
実際やってみると、子どもの力ではねじをしめ切るというのがなかなか難しいようです。ここはお父さん・お母さんの出番です。しっかりしめ切るよう、サポートしてあげてください。
ギアボックスができたら動作チェックをします。
動作チェックの段取りを確認しておきましょう。
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完成基板とモーター、電池ボッ
クスのコネクターをつなぎます -
完成基板の真ん中のスイッチを2秒ほど押すと、基板のLEDが緑
に光ります -
もう一度スイッチを押すと、LEDが緑とオレンジに光ります。す
ると、右前足がクルクルと動きます -
基板の音センサーを叩いて音をキャッチさせると、両側のギアが上に移動して、おなかからアームが飛び出して素早くもどれ
ばOKです
動画で示すとこんな感じです。
もし、ギアが回転しなかったり、ギアボックスから「ガガガ・・・」と異音がするような場合は、ギアのかみ合わせなどが正しくできているかチェックしましょう。
ギアボックスに後ろ足を取り付けたらギアボックスの完成です。
ボディ(内部)の組立て
ここからは、とげまるがでんぐり返しするときのメカを組み立てていきます。
トーションバネは取り付ける場所を間違えないように注意しましょう。ここも、もしかしたらお父さん・お母さんの出番かも。ばねをクッと押し下げて溝にはめていくイメージですね。下図のよく見てください。
A2は正しい位置に取り付けると奥まではまります。
バネを取り付けるとき、向きが逆にならないように注意しましょう。
さあ、ここからがギア祭りです。ギアの部品をバリが残らないように、丁寧に切り取っていきましょう。とげまるが動くためのしくみの部分を組み上げていくという意味で、工作の最大のヤマ場と言っていいでしょう。何度でも言いますが、ここをうまく処理していくことがとげまるを正しく動かすための最大のポイントです。
また、ここからたくさんのねじ止めを行い、ギアボックスにたくさんの部品を取り付けていくことになります。ここで間違うと後戻りするのがとても大変です。ねじが奥までしっかり押し込めているか、ギアとギアのかみ合わせが説明書の通りうまくいっているか、お父さん・お母さんもしっかり見守ってあげてください。さあ、集中!
A1はバリが残らないようきれいに切り取ります。ギアの歯まで切ってしまわないように注意!
A7、D9、A4は取り付け位置はかみ合うようになっているので、ズレないように注意します(下図参照)。
裏側にギアを取り付けます。取り付ける位置や向きを間違えないように、説明書のイラストをよく見ましょう。ご覧のようにギアがかみ合った様子は圧巻です。
取り付けたギアがはずれないようにふたをします。ねじ止めはお父さん・お母さんの力も借りてしっかりと!
こちら側のA8、D8、A9も取り付け位置がズレないように注意します。
両側に取り付けたB2を取り外しておくのを忘れないように注意!これでボディ(内部)の完成です。
ここまで組み立てると、ギアなどのメカ部品が多く使われていることが分かったと思います。とげまるは、ボディーが丸まったり伸びたり、またでんぐり返しをしたりといろいろな動きをたった1個のモーターで行っています。その複雑な動きを作り出しているのがボディ内部のメカ部です。
特に、ボディーの伸び縮みとでんぐり返しをするとき、全ての機構が連動して動く様子は必見です。その仕組みの部分をちょっとお見せしましょう。
※動くところが見やすいように、前足などははずした状態で示しています
ボディーの両側のまっすぐなギア(ラック)でボディーの伸び縮みをコントロールし、縮んだ時に下からボディーを持ち上げるアームが出ることででんぐり返しをします。そのアームが素早くもどる機構もとげまる独特の機構です。説明書の最後にはとげまるが動くしくみも解説していますので、ぜひ読んでみてくださいね!
ボディ(外部)の組立て
次にボディーを作ります。この工程で動作不良が起こることは考えにくいかとは思いますが、似た部品が多いので、とげまるのとげを間違えないように、ひとつずつパチン、パチンと丁寧に取り付けて行くことが重要です。ここは辛抱強く工作していきましょう。
ボディー01、02、03を組み立てます。似ている部品がたくさんありますので、説明書をよく見て間違えないように注意しましょう。
それぞれのボディーをつなぎます。
プラスチックシートを取り付けます。プラスチックシートの形の違いに注意して、取り付ける位置を間違えないようにしましょう。
背中の「とげ」を取り付けていきます。とげは順番通りに確実に「パチン」とはめてください。とげの取り付けが正しくできていないと、でんぐり返しができなくなったりします。
ボディーとギアボックスを取り付け、フックをはめます。ここもお父さん・お母さんのお手伝いポイントです。ギアボックスとボディを取り付けるときにどことどこをはめあわせたらいいのか、よく分からなくなるかもしれません。とりつけるところをしっかり見てとりつけるようにしてください。
前の方のとげを取り付ければ、ボディーの完成です。
あたまの組立て
最後にあたまを組み立てます。完成は目の前です!
完成基板を取り付けるとき、ねじは確実に最後までしめてください。しっかりしめられていないと、正しく動かなくなります。
完成基板をあたまの中に組み込み、モーターと電池ボックスのコネクターをしっかりと差し込みます。
反対側のあたまを取り付け、ボディーと合体させます。
耳などを取り付ければ「とげまる」の完成です。
とげまると遊ぼう
では、とげまるを動かしてみましょう。
とげまるは3つの動作モードがあります。
ここでは、モード1のでんぐり返しモードで動かしてみましょう。おでこのファンクションスイッチを2秒ほど押したままにします。すると両目がピカピカ光ってスタンバイモードになります。
さらにファンクションスイッチを1回押すと、目がオレンジと緑に光りモード1になります。
とげまるが前に進んだり、止まったりしながら動き出しますので、顔の前で手ばたきを1回してください。
音センサーが反応すると、ちょっと下がりながらボディーが丸まってでんぐり返しをします。
ファンクションスイッチを押すと、連続ででんぐり返しをするモード2、手ばたきで応援するとでんぐり返しをするモード3で動かすことができます。
見た目はかわいいですが、割と作り応えのあるとげまるでした。工作時間はたっぷり3時間といったところでしょうか。子どももペットのようにとげまるで遊んでいます。最後に、今回、実際に自分の子どもと作って感じた「是非お父さん・お母さんのお手伝いしていただきたいポイント」をまとめておきます。
今年のゴールデンウィークは最大10連休だそうです。この機会にお子さんとじっくりロボット工作に取り組んでみられてはいかがでしょう。