電子工作日記

Mac (プラスDarwine)でMelody IC Factoryを動かしてみる

今回は「へっぽこ電子工作日記」の番外編です。前回(メロディー時計製作編)の画像を見て気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、私は仕事柄Macを使っています。

S01

メロディー時計のアラームメロディーを変更できるソフトである、「Melody IC Factory」は現在のところWindows XP、Vista版しか提供されていません。こんな時、Macユーザーは少し寂しい思いをしますよね。最近のMacはCPUにIntelのものが採用され、Parallels DesktopやVMware Fusionといった仮想化ソフトやApple謹製のBoot Campを使えばWindowsが動作します。ですので、Melody IC FactoryもそのWindows上で動作させることが可能です。自宅でもParallels Desktop上のWindows XPでMelody IC Factoryがちゃんと動作しました(動作環境 ホストOS:Mac OS X10.5.5、仮想化ソフト:Parallels Desktop 3、ゲストOS:Windows XP Pro SP2)。もちろんメロディー時計へのデータ送信も問題ありませんでした。Boot Campは試していませんが、多分、動作するだろうと思います。

S02

このようにBoot Campや仮想化ソフトを使えば、Windowsを動作させることが可能なので、Melody IC Factoryも動かせるようになるのですが、少なくともMacとは別にWindowsのライセンスを購入する必要があります。もちろん仮想化ソフトを利用する場合はそれを購入しなくてはなりません。Melody IC Factoryを動かすだけでいいという場合にはちょっとコストがかかりすぎですよね。ということで、今回はなるだけコストをかけずにMacでMelody IC Factoryを動かす方法を探したいと思います。


注意!ここからの内容は株式会社イーケイジャパンが保障する内容ではありません。もし、お試しになる場合は自己責任でお願いいたします。また、お試しいただいたことによって発生した損害や不利益に関して、株式会社イーケイジャパンは一切、責任を持ちませんので、あらかじめご了承ください。

テスト環境

私が試した環境は以下です。Mac mini (OSX10.4.11、memory:512MB、HDD:60GB)MacBook Pro(OSX10.5.5、memory:4GB、 HDD:120GB)

Wine & Darwine

Boot Campや仮想化ソフトを使わずに、Windows用のソフトをMac OS上で動かすには、「Wine」というものを利用する方法があります。

WineはLinux等、UnixライクなOS上でWindowsアプリケーションを動かすことを目的に開発されており、Mac OS X向けにも移植されているフリーソフトウェアです(※ライセンスはLGPL)。しかし、Wineを使えばWindowsソフトが何でもMacOS上で動かせるというわけでもなく、動かないものもあります。万能というわけではありませんが、今後の開発でもっと動作するソフトが増えていくことでしょう。で、そのWineを使いたいと思うのですが、Mac OS X向けには既にバイナリがビルドされている「Darwine」というものがあります。同様なものにMikuInstallerというのもありますが、今回は「Darwine」を使いたいと思います。ソースコードからビルドしていきたいという方は以下を参考にされると良いかと思います。

注意!Wine等を使って、Windowsのアプリケーションが動くようになるということは、Windows向けのウィルスやワームなど悪意のあるアプリケーションも実行できる可能性があるということです。安全かどうか確認もせずにexeファイルを起動したりしないようにしてください。

X11のインストール

Darwine(Wine)を利用するには、まず、MacにX11がインストールされている必要があります。X11はMac OS XのインストールDiskに入っていますので、それをインストールしておきます。Mac OS X install Disc 1 > System > Instration > Packagesの中のX11User.pkgをダブルクリックするとインストールが始まります。後は画面の指示に従ってインストールを完了させてください(※画像はクリックすると拡大画像を表示します)。

S03

OSX10.5の場合はXQuartzの最新版を入れておくと良さそうです。こちら(http://xquartz.macosforge.org/trac/wiki/X112.3.1)からX11-2.3.1.pkgをダウロードしてインストールできます。

Darwineのインストール

Darwineは以下からダウンロードします。http://www.kronenberg.org/darwine/このページ中の「download」をクリックすると、ダウンロードが始まります。Darwineのプロジェクトでは開発のための寄付を求めています。もし、試してみて良いと感じられた方は是非、寄付しましょう。※2008年12月10日時点ではDarwine-x86-1.1.9.dmgがダウンロードされました。安定しているバージョン1.0.1を利用したいという場合はページ中の「stable 1.0.1」をクリックするといいでしょう。Darwine-x86-1.1.9.dmgをダブルクリックして展開すると下図のようになりますので、DarwineをApplicationsフォルダにドラッグ&ドロップして、インストール完了です。

S04

サンプルアプリケーションの実行

次にサンプルアプリケーションを実行してみます。Applicationsフォルダに入れたDarwineフォルダの中の「Sample WineLib Applications」というフォルダの中にclock.exeがありますのでそれをダブルクリックして起動してみます。

S05

初回のアプリケーション起動時にwineの環境が構築されるので、ちょっと時間がかかります。X11が起動し、Wine Helperが起動してしばらく待つとClockが起動します。

S06

上の画像のように、メニューバーに文字が見当たりませんね。次はこれを対処しましょう。一旦、Clockを終了します。

フォントのインストール

メニューの文字が見えなかったのはwineの構築したWindows用の環境の中にフォントが入っていないためですので、Windows用の環境に何らかのフォントをインストールする必要があります。今回はライセンス的なことも考慮してフリーのフォントである「さざなみフォント」を使おうと思います。さざなみフォント(http://sourceforge.jp/projects/efont/)ページの「ダウンロード」タブをクリックして、表示される「sazanami-20040629.tar.bz2」をクリックするとダウンロードが始まります。ダウンロード完了後、「sazanami-20040629.tar.bz2」をダブルクリックすると、解凍されて「sazanami-20040629」フォルダが作成され、その中にsazanami-gothic.ttfsazanami-mincho.ttfがあることを確認してください。これらのフォントを利用します。

S07

Darwineの場合、Wineの環境は現在実行しているユーザーのホームディレクトリに「.wine」というフォルダを作成して、その中に作られます。しかし、.(ドット)で始まるファイルやフォルダは不可視となっていて通常の状態では見ることができません。ですが、.wineフォルダは存在しています。不可視ファイルの表示・非表示を簡単に切り替えられるツールもありますが、今回は表示せずに以下のやり方で.wineフォルダの中身を表示します。1. コマンド+N等でFinderでウィンドウを表示します。2. サイドバーのユーザーホームディレクトリをクリックします。3. メニューバーの「移動」⇒「フォルダへ移動」をクリックします。4. 表示されたダイアログに「.wine」と入力し、「移動」をクリックします。

S08S09

これで.wineフォルダの中が見えます。drive_cというフォルダがあると思いますが、これがWindows OS上で言う、Cドライブということになります。drive_c > Windows > Fontフォルダ内に先ほどのsazanami-gothic.ttfsazanami-mincho.ttfを入れます。これでフォントのインストールは完了です。

S10

.wineの中に後でまた入れるファイルがありますので、このウィンドウはそのままにしておいてもいいです。※terminal等が使える方はシンボリックリンクを作っておくと便利ですね。フォントのインストールが完了したら、もう一度、clock.exeを起動してみましょう。今度はメニューの文字も表示されるはずです。

S11_S

Melody IC Factoryのインストール

さて、ようやくMelody IC Factoryのインストールです。もうしばらくお付き合いください。まずはMelody IC Factoryをダウンロードします。ELEKIT Web Worldのソフトウェアからたどって、必要事項を入力し、使用許諾事項に同意の上、ダウンロードを行ってください。

Melody IC Factoryダウンロードページ(http://www.elekit.co.jp/download/software/00004)

ダウンロードされたMelodyICFactory.zipをダブルクリックして解凍すると、MelodyICFactoryフォルダが作成され、その中にインストールに必要なファイルが含まれています。通常であればsetup.exeをダブルクリックして起動してインストールするのですが、試してみたところ、途中で止まってしまいインストールが完了しません。MelodyICFactoryのsetup.exeはdata.CABを展開してその中身を各フォルダに分配しているだけのようなのですが、どうしてもインストールは完了しませんでした。ですので、今回はdata.CABを展開して、手動でファイルを配置していこうと思います。

MacでCABファイルを展開するには別途ソフトが必要です。今回はBetterZipというソフトを使いたいと思います。このBetterZipは30日間に限り無料で試用することができます。試用してみて、これは良いと思った方、30日以上使用したい方は購入しましょう。アップルのサイトでも紹介されています。

BetterZipページ(http://www.bridge1.com/better-zip.html)

上記のBetterZipページの右端の「試用版のダウンロード」項目の「ダウンロード」ボタンをクリックするとダウンロードが始まります。ダウンロードしたbetterzip-173-jp.zipを解凍するとBetterZip1.7.3J.dmgが作成されますので、ダブルクリックして展開します。購入予定の方、一応、Applicationsフォルダに入れて使いたいという方はBetterZipをドラッグしてApplicationsフォルダに入れてもらって結構です。私は試用ということで今回はこのまま使ってみたいと思います。先ほどのdata.CABをBetterZipにドラッグするとdata.CABの内容を確認することができます。

S13

表示された一覧の中で拡張子が.ekmのものはサンプルのメロディーデータです。サンプルメロディーのファイル名には日本語が使われているのですが、文字化けしていますね。setup.exeが途中で止まってしまうのはこの辺が問題なのかもしれません。この中身をwineの環境に配置していきますので、もう一度、ユーザーのホームディレクトリにある.wineの中身を表示してください。表示したら、以下のdata.CABの中身をdrive_c > Windows > system32フォルダの中に入れます。

  • Msvbvn60.dll
  • ASYCFILT.DLL
  • STDOLE2.TLB
  • COMCAT.DLL
  • VB6JP.DLL
  • Dx7vb.dll
  • COMDLG32.OCX
  • CMDLGJP.DLL
  • MSFLXGRD.OCX
  • FLXGDJP.DLL
  • VB6STKIT.DLL

S14

完了したら、次はアプリケーションの本体であるMelody IC Factory.exeをデスクトップでもApplicationsフォルダの中でもいいのでお好きなところに入れてもらって、インストールは完了です。※拡張子が.ekmのサンプルメロディーデータも文字化けしていますが、お好きなところに入れてもらってファイル名をリネームすれば問題なく使えます。BetterZipや必要ないウィンドウは閉じてもらって結構です。

Melody IC Factoryを実行!

ではMelody IC Factoryを起動したいと思います。ダブルクリックして…。

S15

ジャーン!出ました、スプラッシュウィンドウ!

S16

やったー!メインの画面が表示されました!「音は出るだろうか?」と思いつつ、鍵盤をクリック!「ペン♪」おお!ちゃんとMacから音が出てます。もちろん音階・音符をセットして、演奏することも出きました。そして肝心のメロディー時計へのデータの転送ですが、音量を最大にして、送信と…。LEDチカチカ…「プ~ペペッ(メロディー時計の受信完了音)」これも問題なくいけました!アラームもちゃんと作成したメロディーが鳴っています。やっほ~い!このままの状態では、タイトルや保存するファイル名に日本語を入力することはできないのですが、アルファベット・数字は入力できるので利用する分には問題ありません。ごくたまに保存時に応答がなくなったことがありましたが、Macで利用することができる!ということで、大目に見ようではありませんか。

ということで、(今のところOSX10.4以上でIntel Macを使っている)Macユーザーの皆さん!絶対大丈夫と保証することはできませんが、Melody IC Factoryが動くか試してみて、動いた暁には「メロディー時計」が買えない理由はもうありませんよ!お買い求めはお近くの取扱店、又はエレキットストアでどうぞ!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。