電子工作日記

ジャンクコーナーのLEDで遊ぶ!

電子部品店のジャンクコーナーには、低価格で遊べそうなが詰まってます。
分かる人が見れば一発で分かるものも、よく分からない人からすると「謎の部品」のまま、手に取ることもなく、立ち去ってしまう。
なんと勿体ない!掘り出し物やお宝が目の前にあるというのに!
今回はそんなおジャンク品から、比較的カンタンそうなものを使って格好良いモノを作ってみます。

選んだもの

電子工作と言えばLED、とにかくLEDです。
普通のLEDじゃ面白くないので、チップ型のLEDを使ってみましょう。
今回は”ジャンクあるある”な、謎の基板付きのタイプを選んでみました。

如何にもなパッケージ。ラベルに踊るジャンクの文字。

このラベルから読み取れるのは、
・白いLEDであること
・12Vの電圧が必要であること
・電圧が1A必要であること
・(防水じゃないこと)
結構色々分かりますね。最低限、電圧と電流だけ分かれば何とかなります。
電源さえ用意出来れば動かせるはずですから。

また、20枚の小さな基板が繋がっていて、基板1枚あたりLEDが3つついている。
つまりこの1袋でLED60個が光るということが分かります。
それがなんと、たったの500円!!面白そう!勢いで4枚買いました。

じゃ、開けてみましょう。

とてもゲジゲジしてます。LEDが3つと抵抗が1つ載った基板、それが並列で20枚繋がってますね。
両端からケーブルが伸びている…色的にプラスマイナスが出てるのは何となく分かります。
はい、プラスが白でマイナスが灰色ですね。抵抗は750の刻印。

そのまま12Vの電源に挿してみると、ちゃんと光りました。
特にコードが切れたりはしてなさそうです。

これにコネクタをつけてハイ終わり、でも良いんですが…
このコードがびらびらしてるのは、あまり見た目がよろしくありません。
また不意に金属が基板に当たる可能性もあるので、ケースに入れてあげたいです。

加工1 コードを綺麗にはんだ付けしなおす。

単純計算で、基板1枚あたり40本のコードを外して、切って、はんだ付けする事になります。
基板4枚分なので、合計160本ですね。
エレキットのTKシリーズ(対象年齢10歳以上)でも行うレベルの作業なので難しくはないですが、
ヤケドしないように作業を進めていきます。

4枚ともはんだ付けが終わったのがコチラ。

ケーブルが短くなると、見た目がスッキリしました。
ついでにコネクタもつけました。コネクタについては直下で解説します。

コネクタどうする問題

今回は12Vの1Aと、わりと大きな電流を流します。
それも並列で4枚繋ぎたいので、4Aくらい流せるコネクタが欲しいところ。
一般的なコネクタ(QIコネクタやXHコネクタ)は大体3Aくらいまで流せますが、それを1A上回っている…となると、次の狙い目は5Aまで流せるコネクタです。
5A流せる、あんまり大きくない、手頃な価格…という条件で、お店で見つけたのはMolexの1625というコネクタ。

たくさん買いました!

この1625コネクタは250V 5Aまで流すことが出来ます。
今回は12V 4Aなので許容内です。
このコネクタは圧着工具を使って取り付けるタイプです。

コードどうする問題

電源やLED基板、コネクタを繋ぐためにはコードが必要です。
適当な電源用コード使えばいいじゃんと思いがちですが、太さや材質などで許容電流が色々あるみたいです。
今回は詳しい人に相談したところ、「断面積0.5mm3以上のものにしよう」と言われました。
分からなければ、お店の人に聞いてみましょう!
(計算式もあるみたいですが、難しいので割愛します。気になる方は調べてみてね!)
コードは1メートルあたりいくら、という風に売ってます。
今回は1メートル100円ちょいのものを10メートル購入。

加工2 コネクタを取り付けよう

コネクタとコードを選べたので、これらを取り付けてみます。
使う道具は、コネクタ、コード、圧着工具。

左は車やバイクの配線用で売られているもの。右は電工用。今回は右の工具を使います。

圧着というのは、コネクタの端っこの金具部分に電線やコードの被覆を噛ませ、ぐいっと金具を潰して固定する作業です。
金具が噛めばコードがコネクタから抜けなくなり、金具と電線が接することで電気を流せるようになります。

圧着の方法は工具の説明書に書いてあるので、それをちゃんと読んで作業しましょう。
概要だけお伝えします。

コネクタを圧着工具でつまみます。

先端を剥いたコードを差し込みます

ぎゅっと工具を締め付けます

じゃーん、完成!

金具を取り付けたら、これをコネクタのガワに差し込みます。

さあ、どんどんコネクタを取り付けていきます。

ちなみに、この手のコネクタは一旦挿してしまうと取り外すのがとても困難です。
ピンの腋にカエシがついていて、これを押し込みながらじゃないと抜けないようになっています。
今回の1625コネクタはカエシを外すのがほぼ不可能なため、間違って取り付けると↓のようになります。
金属ピンの部分だけなら1個5~10円くらいで買えるので、白いガワに差し込む前に何度も確認をしましょう。

この写真に写ってるだけで約500円分のコネクタを無駄にしてしまいました…。

点灯テスト

失敗したことは忘れましょう。
気を取り直して、ちゃんと点灯するかテストです。
何が起こるか分からないので、燃えやすいものを近くに置かないとか、万が一の発火に備えるとか、
安全策を講じた上で実験します。

目が潰れるほど眩しいです
赤と黒のコードは延長用で、こんな風に繋いでみました。

よし、無事に点いたので大丈夫。
ケーブルや基板表面に軽く触れて、異常な発熱が無い事も確認。
そのまま使う分には、これで完了ですね。

アクリルでケースを作ろう編

この記事はもうちょっとだけ続きます。
大電流を流すのに基板剥きだしで使うのは勇気が要るので、ちゃんとケースで覆ってあげましょう。

細かい説明は省きますが、透明なアクリル板をレーザーカッターで切って作ります。
数年前は結構敷居の高かったレーザーカッターですが、最近はカインズやグッデイといったホームセンターで使えたり、
全国各地に公開されている工房があったりします。
講習を受けながら使い方を覚えられるところが殆どなので、興味があれば是非行ってみましょう!
場所を調べるにはこちらのサイトが便利です。
トロテック・レーザー マップ

今回はエレキット社屋にあるファブラボ太宰府で、加工していきます。

トロテック・レーザーのSpeedy300という機種です。超高速、高火力が特徴。
図面さえ引ければ、レーザーカットの作業はほんの数分。基板4枚分を切り出しました。
レーザーカッターで切った後の断面はかなりクリアで、切り損じさえなければヤスリがけすら必要ないです。

あとはこれを組み立てて…

完成!

透明アクリルで作ると、格好良く見えますね!
コネクタとコードがびろんと伸びてダサい気もしますが、埋め込み用のコネクタはちょっと高価だったのと、
コネクタを入れるためにはアクリルの厚みも必要になる=同じく高価になる、ということで妥協しました。
…妥協すべきじゃなかったかもしれません。軽く後悔してます。

並べて光らせるととてもキレイ。
アクリル板自体の側面からもうっすら光が筋になって見えますね。

では…実際に使ってみましょう。

まるで悪魔召喚の儀式。
こんな感じで、隙間から捉えてみます。

コードがすごい主張してるのは置いといて…結構良い感じに光が出てませんか?!
サイバーなツヤ感と立体的な陰影!腹部にまでちゃんと届く明かり!あーシャッター切るのが楽しい!

というわけで

今回はジャンク品のLEDボードを使って、ケースも作って、照明として使ってみました。
機材や機構モノや工作機械みたいなジャンク品は不安もありますが、LEDくらいなら相当簡単に扱えます。電池何本かを繋ぐだけでも使えるレベルです。
電子部品店ではこういったジャンクかご、ジャンク棚、ジャンク段ボールみたいなコーナーがほぼ必ずあり、色んなお宝が眠っています。
こういうものは基本的にamazonじゃ買えないので、ぜひお店に行って探してみましょう!
きっと新たな発見や発明のネタが見つかりますよ。

おまけ

えー、今回かかった費用を計算してみましょうか。端数を切った概算です。
・LED基板 500円×4枚 2,000円
・コネクタ 120円×12セット 1,440円
・アクリル板 (今回は端材だけど新品を買うなら) 1,500円
・コード 120円×10m 1,200円
・ねじナットワッシャー 10個入り100円×4袋 400円
合計…6,540円。ボード1つあたり1,600円。

また、リターンとしては
・楽しかった経験 100万円相当
・上達したはんだ付けスキル 1億円相当
・達成感 5000兆円相当

実質無料どころか、リターンの方が大きい。これがDIYの良いところですよね。
ものを生み出す楽しさは、お金じゃ買えない価値がある。

さて、今度は何を作ろうかな~調光出来るように改造してみようかな?

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