6月29日(土)にビットさんを使ったパソコンを使わないロボットプログラミング教室を開催しました。
定員5名の小規模な工作教室+ワークショップでしたが、プログラミングの基本的な学ぶのに十分な内容となり、手応えも十分。ご検討中の方にも分かるように教室を行う際の注意点や盛り上がりのポイントなどをレポートしたいと思います。
満席で迎えた当日、前半は組み立て、後半はビットさんを使いながらプログラミングの基本的な考え方を学び、回転や後退など色々なビットを組み合わせて課題の動きを一つずつプログラムしていきました。
前半:ビットさん工作教室
まずはビットさんを組み立てていきます。ビットさんを組み立てていく上で、注意すべきポイントは下記の通りです。
ドライバーの正しい持ち方としめ方を覚えよう
ドライバーの正しい使い方は工作前にレクチャーしましたが、お子さんだけの力ではなかなかネジを最後までとめることが難しかったようです。ビットさんを正しく動かすためには、ネジは最後までしめきることがとっても重要です。
下の図のように、
①ドライバーでねじを上から押さえつけながら
②時計回りに回し
③途中でかたくなったらちょっとだけねじを反対方向に回し
④もう一度時計回りに回していく
をくり返して、必ず最後までゆるみが無いようにしめる。これが大事です。
C3を取り付ける工程は力がいるので要サポート
ボディに取り付ける「C3」という部品があります(説明書の5P・8P)。この部品をボディに取り付けるには多少力がいります。「パチっ」と音がするまでしっかりはめるようにします。
ギアがとても多いので、ギアのバリ取りと向きは重要
ビットさんのボディにはたくさんのギアが使われています。
これらギアを自分で切り取って取り付けていきますが、このときギアをバリが残らないように切り取らないとひっかかってしまってうまく動きません。当社に寄せられる動かない原因の8割はバリが原因です。バリは工作の最大の敵!しっかりきれいに切り取るようにしましょう。
また、ギアにはオモテとウラがあります。向きも間違えないように慎重に取り付けていきましょう。
ギアボックスのはめあわせが難しい
ギアボックスをはめあわせるところはどの参加者も苦戦しているようでした。はめあわせるときは、まずタイヤ部分の大
工作教室は、終始和やかな雰囲気で進んでいきました。ゆっくり作ってたっぷり90分程度といったところでしょうか。参加者の皆さんも集中してよくがんばりました!
後半:ビットさんを使ったプログラミングワークショップ
10分間を休憩をはさみ、プログラミングワークショップを行いました。ワークショップでは、次のようなコースを用意して、こちらから与えた課題をクリアしていってもらいました。
課題「大きく迂回して戻ってこよう」
コースに描かれた●のところを通って大きく迂回していきます。
この課題をクリアするには、ビットさんに次のようにプログラムする必要があります。
まっすぐ進む⇒左に90度曲がる⇒まっすぐ進む⇒左に90度曲がる⇒まっすぐ進む
このとき、ビットさんのプログラミングホイールにどのようにビットを取り付けていけばよいでしょうか?
ここでプログラミングホイールの使い方についておさらいをします。
プログラミングホイールにはギアがついている側とギアがついていない側があります。ここにビットを取り付けていくわけですが、ギアがない方はホイールの下にある目印から時計回りに、ギアがないほうは反時計回りに順番に処理が実行されていきます。また、ギアがない方はビットさんの左向きに動くアクション用に、ギアがある方はビットさんの右向きに動くアクション用に使われます。
ここで、課題に戻ります。例えばこんな感じでビットを取り付けるとビットさんはどう動くでしょうか?ギアがない方に90度ビットがふたつ取り付けられています。下の目印から時計回りに順番に実行されていきますので…
まっすぐ進む⇒左に90度曲がる⇒まっすぐ進む⇒左に90度曲がる⇒まっすぐ進む
という動きをすることがわかりますね!
ビットのくわしい説明は、こちらの記事で!
製品レビュー パソコンを使わないプログラミングロボット「ビットさん」
https://voice.elekit.co.jp/archives/4714
このようにビットさんの基本的な使い方さえ分かれば、あとはビットさんが意図通りに動くように、ビットの取り付け位置を試行錯誤するのみです。参加者は次々に試行錯誤に取組んでいました。子どもたちの新しいことに躊躇なく挑戦していく姿勢はいつ見ても感動します。
当日はこのコースを使って、「まっすぐ進んで、中央で停止して、もう一度まっすぐ進む」「まっすぐ進んで、中央で一度後退して、もう一度まっすぐ進む」というふたつの課題を行ったあと、総まとめとして次の課題に挑戦してもらいました。歯ごたえがある課題かと思いきや、次々クリアしていく子どもたち。とても頼もしく思いました。
まとめ
2020年度から小学校課程から必修化されるプログラミング教育ですが、その教育の中では、必ずしもコーディングを学ぶのではなく、プログラミング的思考を学ぶとされています。では、プログラミング的思考とは何か。文部科学省による「小学校段階におけるプログラミングの在り方について」という資料によれば、次のように定義されています。
自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要であり、ひとつひとつの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力。
私たちは特に太文字部分に着目をし、要するに次の3つに言い換えられるのではないかと考えています。
-
課題を設定する力
-
課題を分析し、課題を構造化する力
-
試行錯誤する力
不確実性が高い世の中だから、これからの時代を子どもたちがサバイブしていくために、常に自分でなりたい姿を想像し、現在の姿となりたい姿との間のギャップを分解してアクションプランを立てて、試行錯誤しながら近づいていく必要があるというわけです。
今回のワークショップでは、自分が意図するビットさんの動きを描き出し(課題を設定する力)、そのためにはどのような動きの組み合わせが必要かを考え(課題を分析し、課題を構造化する力)、ビットの取り付け位置を試行錯誤することで(試行錯誤する力)、意図通りにビットさんを制御することを行ってきました。まさにプログラミング的思考を育成するために企画しました。パソコンを使わないプログラミング教室というネーミングの意図、伝わりましたでしょうか?
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ビットさん以外にもいろいろありますよ~。
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