最近、アナログレコードの人気が高くなってきています。
レコードプレーヤーを買って、お手持ちのアンプにつないで聴きたいと思っている方も多いのではないでしょうか。
現在販売されているプリアンプやプリメインアンプの多くには、フォノイコライザーアンプが内蔵されていないものが多いです。
そのようなアンプにレコードプレーヤーを接続する場合、レコードプレーヤーとアンプの間にフォノイコライザーアンプを入れ、カートリッジの微小な信号を増幅する必要があります。
そこで活躍するのが先日発売されたフォノイコライザーアンプキット、PS-3250です。
本キットの特徴
このフォノイコライザーアンプキットは、MM型MC型カートリッジ両方に対応しています。
またカートリッジに合わせたゲイン設定やオペアンプの差し替え、アース端子の搭載など、実用的な機能を一通り揃えています。
ただ、本製品は基板キットのためケースや電源ジャックを同梱していません。
キット価格を高くせず、購入された方の環境に応じて使っていただきたい、そう思っての構成です。
ケースが付属していないということは。
レコードのカートリッジからの出力は非常に小さいため、増幅度の高いフォノイコライザーアンプは外部からのノイズをよく拾います。
このアンプキットを実用するためには、金属性のケースを使ってシールド(ノイズ対策)する必要があります。
ただケースは付属していないので…今回の記事でオススメのケースを紹介して、実際に組み込んでみます。
特に高級なものではない、入手性のよいお手頃なケースです。参考になれば幸いです。
用意するもの
用意するのはPS-3250(はんだ付けしましょう)、DCジャック、アルミケース、M3で長さ8mm程度のネジを5本。
また金属加工の道具として、センターポンチ、リーマー、金属やすり、ドリルとアルミ用のドリルビット。
アルミケースは電子工作定番!タカチのYM-150を用意しました。
余裕をもたせるためにYM-150を選びましたが、1サイズ小さいYM-130でも組み込めます。
DCジャックはマル信無線電機株式会社のMJ-179PHを用意しました。
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-06568/
実際に作業してみます
まず、PS-3250基板にDCジャックをはんだ付け。
今回使用したDCジャックは、プラグの外径5.5mm、内径2.1mmで、
極性はセンタープラス…内側のピンがプラスで、外側・外周がマイナスです。
ACアダプターも同規格のプラグを使用している、5V~12Vのものを使用します。
この規格は”2.1mm標準ジャック”と呼んだりするようです。
なお電源を取る方法として、DCジャック以外で、いまどきの方法も用意しています。
秋月電子通商様のUSB type-CコネクタDIP化キット(シンプル版)が挿せるようになっており、最近スマホやガジェットで使用されるようになったUSB Type-Cからの電源供給もできるようになっています。
[AE-USB2.0-TYPE-C]http://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-13080/
PDとかQCではなく、単純に5Vが取れれば問題ありません。Type-A→Type-Cのケーブルと、普通のAC-USBアダプタで動作します。
スイッチについて
今回スイッチはつけないので基板の「POWER SWITCH」の部分を、ジャンパで繋いでショートさせます。
説明書に書かれていること以外の基板加工は以上です。
ケース加工
まずは組立説明書にケースの穴加工例として実寸サイズの寸法図が掲載されているのでこれをコピー。
寸法図を切り取ってケースに貼り付けます。
作業中に剥がれることが無いようにキチンと貼りましょう。
ケースには加工時にキズが付かないように保護シートが貼ってあるので加工終了後に剥ぐときれいなケースが出来上がります。
そして、穴あけ部分の中心にセンターポンチでマーキングして3.5mmのドリルで穴開け
RCAジャックの端子部分は少し大きめの穴あけをしてリーマーで穴を大きくします。
DCジャック部分はリーマーで穴を大きくした後にヤスリで四角い穴に加工して・・・
ケースの加工は終了!!!
最後に3mmのネジ×5本で基板をケースに取り付ければ完成。
ネジは付属しないので、別途用意する必要があります。
ジャック上部の4本はRCAジャックの抜き差しに耐えるため、締結することを強く推奨。
ジャック間の1本はアースのため、これも締結を強く推奨します。
ジャック上部のネジはタッピングでも良いですが、アースの1本は通常のネジが必要なので、5本とも合わせた方が楽ですね。
市販のオペアンプを使った小型のフォノイコライザーアンプはNF型のイコライザ回路を使用していますが、このPS-3250はCR型のイコライザ回路を採用しています。
CR型はオペアンプによる特性の変化が無いため、他のオペアンプに交換して音の違いを楽しむことができます。
ケースを加工した後は、オペアンプを色々差し替えて遊んでみてください。