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ECL85 シングルステレオパワーアンプキット [ TU-8185 ] リリース!

ブログを書くのがものすごく久しぶりの、開発部のフヂです。

さて、2012年リリースから長らくご好評をいただいてきたPCL86シングルステレオパワーアンプキット [TU-8100] の後継機として、ECL85 シングルステレオパワーアンプキット [TU-8185] が6月中旬にリリースされます。

形状や寸法、最大出力等はTU-8100を踏襲している点も多いのですが、違いも色々とありますので、カタログページではご紹介しきれない部分や裏話をお伝えしたいと思います。

 まず、ファーストインプレッションでおわかりの通り、色が黒になりました。8100はシルバー系の塗装でしたが、8185では上位機種の8900や8550と同じブラックレザートーン塗装になりました。合わせて、やけど防止と真空管の防振効果を兼ね備えた「音符と五線が音楽と真空管を護る!」の、耐熱ナイロン製チューブプロテクターもブラックになり、「真っ黒」なアンプになりました。

ちなみに基板色も変更され、8100のブルーから (情熱の?) レッドになり、金フラッシュ仕上げで見た目もゴージャスになりました。

つぎは使用している真空管。ECL85(= 6GV8)というプリ用三極管とパワー用ビーム管が入っている複合管です。
同様な複合管で有名なのは6BM8や6GW8ですが、こちらは初めて聞く球だという方が多いかも知れません。3種の管はピン配列や特性が異なり互換性はありません。ECL85(6GV8)はTVの映像同期増幅、映像出力用の球で、比較的低めのB電圧でもプレート電流が流れてくれる特性のため、小形のアンプに向いているとも言えます。
ECL85の高信頼バージョンであるECL805Eが調達できることとなったため、TU-8185の付属球は当分、ゴールドの表示が美しいこの球になる見込みです。(将来は変更になる可能性もありますのでご了承ください)

TU-8100の後継で使用球がECL85なので”TU-8185”と覚えてください。

ところで球の特性からプレート負荷インピーダンスを低めに設定する必要があり、出力トランス(OPT)はTU-8100用を踏襲することはできませんので、新作OPTとなりました。
また、コンデンサ類も上位機種と同様、PPフィルムCやアルミポリマーハイブリッド電解Cの採用などの見直しを行いました。

肝心なのは音質ですが、球の特性由来、OPT由来、はたまたC類の見直しの成果なのかは定かではありませんが、試作機の社内試聴会では「お、お~!」と感嘆の声が上がるほど、ミニワッター(小出力アンプ)とは思えぬバランスの良さとなりました。 

機能面での進化として大きいのは、TU-8100にはなかった、待望のヘッドホン出力(前面のミニジャック)が付いたことです。
なお前面ジャックは8100では入力用でしたが、その機能は無くさず背面に移動しました。この移動は一見不便と思いきや、オプションのUSB-DACモジュール [PS-3249R] の組み込みがより簡単になるという、意外なメリットが。画像に写っているような市販のケーブルを使うと筐体外で接続しやすくなり、はんだ付けでの内部配線をする必要がなくなったためです。

また、TU-8185用ドレスアップオプションセット [OP-8185]も準備されています。
下の画像はPS-3249R や OP-8185 を取り付けた状態です。

ところで外観といえば、横長形ではない「真っ黒なアンプ」の試作機ができたとき、SLが思い浮かんでしまいました。そこで数年前に乗った列車を牽いていた”D51 498”のラベルを作ってみたところ、似合うけれども若干の違和感が… この可愛らしいアンプに重厚なテンダーSLである”D51”の表示はどうも違う、小形のタンクSLが良いのでは… となると、JR北海道、東武鉄道、真岡鐡道、大井川鐡道で現役活躍中の”C11”と”C12”か。とくに”C11”は新橋駅前広場でも超有名だし。…ということで、付属のファンクションラベルの一角にその2形式を含むSL風モチーフも追加してみました。ちなみに、付属のラベルもシルバー生地からゴールド生地に変わりました。

なお、(鉄道ファンの方はお気付きになると思いますが)車番は実際には製造されていない架空の番号にしてありますのでご了承くださいませ。(苦笑)

TU-8185をどうぞ宜しくお願いいたします。

 

 

 [参考] TU-8100リリース時のブログ記事はこちら

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